天動説と地動説
地球の周りを太陽が回っている天動説を信じている子供たちが、たくさんいるそうです。
確かに、地に足をつけて立っていると、回っているのは太陽だ、と思いますよね。そして、教科書や指導要領が悪いとか言っている大人たちがいるそうです。
チプルに地動説を教えてくれた先生は、まずは天動説を教えてくれました。そう、単純に考えれば太陽がグルグルと回っているように思いますもん。
その先生は、約半年間をかけて、太陽を観察する提案をしました。その半年間、学校の窓から見える太陽の位置がどのような線を描くか、窓にテープを貼ったんです。
すると、だんだんとテープの位置がずれてきました。同じ位置をグルグルと回っていたのでは、このようにはなりません。
次に、星座の観察を半年間しました。ティッシュの箱を切り抜いてサランラップを貼り付け、ペンで印をつけていきました。これもやっぱり印の位置が少しずつズレていきました。
一年経った日、先生は初めて教科書を開いて、地球と太陽と星の手作り模型を見せながら、太陽と星の位置のズレから地球を中心に太陽や星が回っていることはあり得ない、ということを教えてくれたんです。そして、初めに教えてくれた天動説を否定してくれたのでした。
こういうのって、教科書や指導要領とは、またちょっと違いますよね。子供たちが、一年間の間、体で体験したことは、一生忘れることのない経験になるんですよ。
教科書や指導要領を変えたとしても、知識ばかりが身に付いて経験の身に付かない学校になってしまうんだろうなぁ、と思いました。
ちなみにチプルは、昨日食べた夕食の献立は忘れたりしますが、子供のころのこういう経験は、忘れたことはありません。